アベノミクスの終わり(阿房)

●年明けからあちこちで悲鳴に近い叫び声を聞きました。株は下がるし、景気も良くない。あれ、アベノミクスとかなんとかがうまいこと機能してくれているんじゃなかったんですかと、一杯飲み屋で詳しそうなサラリーマン風の中年男性に聞きますと、いやいやあれは黒田さんが大砲を打っただけで、実際の経済実態には結局なんの影響もなかったんだって話なんだとか・・・。
●それが新興国の成長鈍化とか、欧州の銀行がやばいとか、産油国が財政危機だとか云々を背景にして、一斉に世界の空売り専門家が株を売っているとのこと。空売りする目つきの鋭い専門家も好みではありませんが、リフレ政策とか何とか言って、結局為替レートいじりだけに終始してしまった日本もよくありません。金融政策とかいう魔法の杖にまただまされちゃったという、日本中のおじさんたちの憎悪が、いま一杯飲み屋にあふれているのであります。
●悲観的になりすぎるのも阿房の好みではありません。しかし生命保険を株式で運用している哀れな阿房の現状を考えると、簡単にほほ笑むこともできません。数年前に民主党に失望した阿房は、ついに自民党にも深い怒りが芽生えてきてしまいました。こういう局面に、次の選挙でトランプや、ヒトラー、スターリンのような政治家が出てきたら、つい一票入れてしまいそうなのは、阿房一人だけではないでしょう。

消費増税決定はアベノミクス終焉の始まりか(久里田)

●消費増税決定の首相演説を眺めて大いなる失望感を覚えました。そもそも昨年法案が可決された時にも感じたのですが、景気弾力条項が中途半端な代物で、増税比率の見直しには再度法案の提出が必要という、きわめて世間を煙にまいたような内容であることです。再度国会で大審議することが現実的に難しいことを踏まえた策略のような法案であるのです。
●この点について、ヒアリング対象となった有識者諸兄の意見の具申の仕方も中途半端で、、”一度決まったことを変更すると国際的な信認を失墜するので・・・”という答えばかりでした。財政面から言えばその通りですが、デフレからの脱却という至上命題からすれば、”景気は腰折れするかどうか”という一点のみで答えを要求すべきだったのではないかと私は考えています。単に世論形成を目指すための、誘導尋問形式だったような気がして、個人的には政府関係者と有識者への不快感をぬぐいきれません。
●今後の注目ポイントは、成長戦略に絞られるでしょう。日銀の追加緩和は十分にありうるシナリオですが、そもそも緩和するだけでは、市中銀行に意味不明なお札の山が積まれ、これまたナンセンスな不動産バブルが起こるだけでしょう。投資や貸出の対象となりうるビジネス機会そのものが、具体的に見えてこないと、銀行家というものは一円も貸してくれません。この点、銀行とあれこれ接点を持ってきた私の経験論からすれば間違いありません。今後発表される内容次第ですが、ここまで聞こえてきている特区等の規制緩和だけではとても追いつかないのはまちがいありません。
●話をもとに戻しましょう。景気の腰折れ懸念は確実に高まってしまった一方、財政赤字の方はいったいどうなるのでしょうか。歯止めの利かない医療費の増大を考えると、歳出抑制策が示されないと、こちらも焼け石に水と映ってしまいます。デフレ脱却も財政赤字もともに不透明という極めて不安な状況を作ってしまっているように、私には思えてなりません。
●従って昨年11月頃から始まったアベノミクスも一旦これで終わりだとみてよいと思います。現時点では60%以上の支持率があるようですが、株高政権の宿命として、株価の低下をきっかけに、等比級数的に弱体化するのではないでしょうか。すべては成長戦略次第ですが、内容も方向性も、次の政権スタッフ中心で進めたほうがよいと私は考えています。