柳田国男にのめり込む(浦崎)

●柳田国男が面白い。遠野物語に限らず著作に一貫する伝聞調査のプロセスがいい。なんといってもその収集した逸話の一つ一つが新鮮で、年末年始にふとのめりこんでしまった。
●柳田の収集する話は歌舞伎や草子もの、あるいは明治期以降の欧米型価値観に起因するサクセスストーリのような色合いがない。型にハマったものばかりテレビやyoutubeで流れている現代において、その内容はいたって新鮮で、味覚の錆を落とすには申し分のない内容だった。
●米国では政府機関が閉鎖され、英国ではブレグジットに関する国会討論が意味もなく続いていたから、世界は膠着状態にあるようだが、こういうときには下手にビジネスやマーケットにのめりこむ気もしないから、益々柳田の本にのめりこむことになった・・・。ふと気が付けばもう1月末である。
●2019年がどういう年になるのかは誰にもわからない。昨年後半ぐらいから世の中はこういう風に循環していくとか、遷移していくというトレンドが消滅し、ノイズのような政治的駆け引きだけが世界を駆け巡る状況になった。人も国家もむき出しの自己主張を唱え、友人や隣人を思いやる小さな人の良心をこばかにするような風潮が強まりつつあると、ふと感じるようになった。
●昔学校で勉強した世界政治と経済の古き良き物語は一旦終わるのだろうとふと考える。逆回転というよりも一旦終わるということだ。そんな直観めいた確信があるから、やはり柳田の著作に目がいく。一人一人の生々しい生き様や、艱難辛苦に耐えて尚ほの見える小さな人間のこころの有り様は、ひょっとしてこれからの時代の自分の姿かもしれぬ、そんな気がしてならないのだ・・・。

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