私は宇宙人である(阿房)

●父親の在所が九州であるので、子供の頃から不知火の話を聞かされました。原因がよくわからないこの自然現象を、当時の親戚一同はお酒を飲みながら、我々はもともと宇宙人なので、不知火は彼らが我々末裔に送っている合図なのだとよく言っていました。
●冗談のような大人の会話を真剣にそうなのかと思った私は、結構長い間自分は宇宙人で人とは違うのだと思っていました。少なくとも小学校の六年生くらいまではそう信じていました。ですから、思春期に入る手前の時代に、尻尾のようなものが生えてくるのかもしれないとか、身長が160センチで止まるのかもしれないとか、真剣に心配していました。奇妙な話ですが、そう思っていたのは事実です。
●この手の思い込みは面白いもので、幼児期はいじめの材料になりそうなことも、宇宙人だから・・・ということで、最後には不思議な納得をするきっかけになりましたし、歴史上の偉人、織田信長などの異質な存在も人間ではなく宇宙人であるはずだから、自分と親類なのだというような飛躍的な着想をえることにつながりました。そんなことばかり考えていたせいか人とは違うことを進んで行うこと自体が、自分のアイデンティティのようなものになりつつあり、不思議に定着しつつあるような気がします。
●もっともらしい人間社会の嘘や、奇をてらっている反面単なる反逆的思考回路にとらわれる姿の愚かしさなどとは、違うところにいつも自分がいます。社会との境界にいて、人間社会に生き、自分の立ち位置を忘れないというようなところに、自分の住む場所があるのです。そういう場所に立って、社会を眺め、動こうとする自分が、宇宙人らしい宇宙人である証なのだと今では考えています。

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